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パルミジャーニの美しいスケルトナイズは触覚、感覚、そして経験に基づいている。

2025年11月11日

プロダクトを通してブランドを理解しようとするとき、あなたはそのブランドのことを本当に理解しているのだろうか。パルミジャーニは、私のお気に入りである信じられないほどクリエイティブなGMT ラトラパンテを含めてトンダ PFのラインナップを一新して復活を遂げたブランドだと理解しているつもりだった。パルミジャーニは、スポーツウォッチへの絶え間ない要求に応えようとする、先進的でありながら大らかな存在だと考えていたのだ。しかし実はトンダコレクションに必要だったのは現在につながる小さなデザインの後押しだけだった。どの時計も素晴らしく美しいデザインだが、私はそのポイントを完全に見落としていたことを理解した。

オーデマピゲ スーパーコピーこれはモデルのラインナップやリリース、ケースや文字盤の扱いなどを見てブランドを理解しようとするときによく起こる問題だ。魂は常にもっと深いところにあるものなのだ。パルミジャーニのCEOであるグイド・テレーニ氏は、CEOインタビューが切り貼りされたような印象を与えることが多いこの業界において、ほかの多くのCEOよりもはるかに優れた洞察力を持っている。だが、ブランドの創設者であるミシェル・パルミジャーニ氏には敵わない。

パルミジャーニ・フルリエの創設者、情熱的な修復のエキスパート、そして才能ある時計職人でもあり、この業界のレジェンドとして彼を知っていたが、スイスのフルリエにあるブランド本社で彼と一緒に座ったときに感じた彼の奥深さは誇張されたものではなかった。そして時計づくりやブランドの修復への取り組みだけでなく、人生、自然、最もありふれたもののなかにさえある美に対する深く熱い見解に、大げさではなく信じられないほど感動したのだ。さらに重要なことは、彼が私にパルミジャーニとその時計の魂を理解させてくれたことだ。その一部は別の機会に紹介するが、別れ際に彼が放ったひと言が印象的だった。

「両親はよく、物事をどう見るべきかを教えてくれました」と彼は言う。「いつも観察していなさいと言われました。この花はなんて美しいんだろう、と。ひとつの角度からだけでなく、あらゆる角度から、そして人生のあらゆる段階においても。移動するときに光がどのようにそれをとらえるかを見て、あなたもそうしなさいと。そうして私は観察することを学びました。やがてフィボナッチ数列や黄金比など、自然界で観察するもの、つまり自然の法則はすべて時計づくりの表現に使えるものだと気づいたのです」

その日早くにパルミジャーニが1975年に設立した工房から発展したヴォーシェ・マニュファクチュールを見学したとき、パルミジャーニのスケルトンムーブメントに対する私の理解と評価はさらに深まった。ムーブメント技術者が、このブランドのラトラパンテクロノグラフのスケルトンブリッジのエッジのカーブはそこから光を逃さないために“絶対に”傾斜した優雅なラインでなければならないと説明してくれたのである。私はWatches & Wondersでスプリットセコンドクロノグラフのローズゴールドバージョンを30秒間だけ見たが、その時計は一瞬でも素晴らしいものだったものの、細かいディテールのニュアンスとバランスを評価する時間はあまりなかった。

ミシェル・パルミジャーニ氏と話したあと、私はローズゴールドのトンダ PF スケルトンを手に取り、すぐに新しい視点で見ることができるようになった。確かに昨年発売されたモデルではあるが、このブランドの成長著しいラインナップの中核をなす存在だ。そしてムーブメントこそが時計の魂であり、パルミジャーニの使命である世界をどのように見るかについて自分自身に挑戦するというブランドの魂の大部分を占めているように思えるのだ。だからこそ、研究するのにこれほど最適な時計はないだろう。

ムーブメントの裏側と文字盤のスケルトン化は、まさにこの種の仕事における傑作と言えるだろう。そして、そのことに気づかないのは誰かがやりがちなことだが、いわば“木を見て森を見ず”になっているときだ。しかし、この時計があまりにも完璧で効果的なパッケージであることを考えると、そう思わないわけにはいかない。ブレスレットとケースサイドのサテンポリッシュ仕上げのセンターから、わずかに角のあるラグを貫くブレスレットの超ハイポリッシュ仕上げのエッジまで。実際のところ(私見だが)、ブレスレットのエッジにポリッシュを施すことで時計の上から下まで明確なフレームができ、よりエレガントなビジュアルになっていると思う。

PF777ムーブメント(厚さ3.9mm、パワーリザーブ60時間)が持つスケルトンの美しさとエレガンスを見逃す人がいるかもしれないもうひとつのポイントは、ブリッジのサンドブラストとサテン仕上げのグラファイトカラーリングが、そのカーブの反射の美しさを和らげているところだ。これは、このブランドの素晴らしいマイクロロータームーブメントの代わりにフルローターを採用したのと同じように必要な妥協点なのだろう。ただでさえ繊細なローズゴールドのデルタ型針にこれ以上ブリッジが干渉したら、この時計は判読不能になってしまうかもしれない。しかし私はこの時計を短時間触っただけだが、時刻を見るときに煩わしさを感じることはなかった。あるいはムーブメントに施された仕事が好きだから、気にならなかっただけかもしれないが。

ラトラパンテクロノグラフムーブメントの開発から察するに、ミシェル・パルミジャーニ氏はフルスケルトンのトンダ PFの設計に深く関わっていたのではないかと思う(聞く機会はなかったのだが)。ヴォーシェのムーブメントエンジニアによると、この時計のブリッジはパルミジャーニ氏の指導と好みに合わせて設計し、実用的なものに基づいて少しずつ調整したそうだ。技術的に可能な限界までスケルトン化を進めることはせず、パルミジャーニ氏が修復の仕事をしていたこともあり、オーナーだけでなく後世まで最大の耐久性と長寿を可能にするムーブメントを作ることに集中することを選んだという。しかしその代わりにパルミジャーニ氏の美的センス(自然への情熱と黄金比の螺旋を含む)と、技術的に何が可能かについてのエンジニアの直感的な感覚をミックスして、この時計は開発された。

幅40mm、厚さわずか8.5mmのこの時計は、ジャンボ(ロイヤル オークまたはノーチラス、お好みで)のような象徴的な時計のサイズの足跡をたどる(または少なくともそれに近い)ものであるため、信じられないほど快適に着用することができる。1471万8000円(税込)という価格もさることながら、もっと高価で快適性に欠ける時計を製造しているブランドもたくさんある。もしあなたがこの時計を買うことができたら、どんなことがあってもパルミジャーニ氏本人と話す努力をしてほしいと思う。そうすることで、あなたの手首にあるもの、そしてそれ以上のものに対する感謝が深まるはずだ。

パネライのルミノール ドゥエは、最薄のルミノールモデルとして2016年に登場しました。

2025年11月11日

パネライ ルミノール ドゥエ 38mmに新鮮なパステルカラーダイヤルのパステロ登場。

サイズバリエーションの拡充やこれまでにないカラーの採用が導いたパネライの現在地。

44mmと42mmに続いて、2018年には最も小ぶりなサイズの38mmがラインナップに追加されたことで、ドゥエは性別を問わずより幅広い手首サイズにマッチするコレクションへと成長。

今回ルミノール ドゥエ 38mmにパステルライトブルー(PAM01309)、パステルグリーン (PAM01311)、パウダーピンク (PAM01319)という淡い中間色の文字盤を備えた3モデルが加わりました。同社が‘パステロ’と呼ぶ本作のダイヤルはいずれも12時位置から6時位置にかけてだんだんと濃くなるグラデーションカラーを採用し、パネライがパステルカラーを用いるのはこれがはじめて。

ブランドはレディスモデルとは謳っていませんが、高精度な計器や軍用時計にルーツを持ちマスキュリンなスタイルのブランドイメージをリフレッシュさせるようなモデルであることは間違いありません。

これまでのパネライスーパーコピーにはない控えめな印象のダイヤル。

基本的に本モデルはダイヤルカラーだけが新しい要素で、性能面の変更はありません。直径38mm、厚さ11.2mmのスティールケース内部には、72時間パワーリザーブのP.900を搭載。リューズプロテクターのブリッジ型デザインを想起させるブレスレットが付属し、各色500本限定で102万1900円(税込)がブティックでのみ販売されます。

ファースト・インプレッション
2018年にジャンマルク・ポントルエ氏がCEOに就任して以来、パネライはニッチな軍用時計ブランドではなく、より広い顧客層をターゲットにしたラグジュアリーウォッチブランドへと変わってきているように感じます。

今作のようなこれまでのパネライにはないカラーリングはそれを推し進める要因のひとつですが、個人的に重要なのはそれ以前に同社が取り組んできたサイズ展開だと思います。ポントルエCEOは関口編集長との過去のインタビュー記事のなかで、ルミノール ドゥエが、パネライを繰り返しパネライを購入するパネリスティのような強いファン層だけでなく女性や新しい世代の顧客を急増させたコレクションであると述べています。

ほかにもサブマーシブルの42mmと47mmのサイズギャップを埋める44mmの追加や昨年の40mm径のルミノール クアランタ、それに続く今年の新作のラジオミール 40mmのリリースなど巧みなサイズが展開されています。

僕はパネライのサイズ、とりわけ小径サイズについて背景にある考えを伺いました。「比較的大きな時計を作る時計メーカーとして、この業界にいるとしばしば男性向けのビジネスなのだという考え方をしてしまうことがあります。ですが、実際には我々の顧客の実に25%以上が女性で、さらにパネライらしさ、そのDNAはサイズを変えたからと言って消えてしまうものではないのです」とポントルエCEO。

確かに僕の頭のなかでも、これまではパネライのアイデンティティ = デカ厚というイメージがありましたが、実際に小径サイズのルミノールやラジオミールを手に取ることで、実はパネライらしさを形作っているのは、アイコニックなケースシェイプなのではないかと考えるようになりました。

今作の新鮮なカラーリングの投入は、十分に拡充されてきたサイズの先に新たな展開を生むのものです。小径化され、さらにパステルカラーが採用されたことで、パネライらしさが失われてしまったのか? 答えはノーです(少なくとも僕はそう思います)。

ポントルエCEOはこうも述べています。「領域を広げてみて初めてわかることもあります。昨年のルミノール クアランタは、当初それほどうまくいかないかもしれないと予想していましたが、結果は大成功でした。でも領域を広げるのをどこでストップするべきかを知っておくことはとても重要です。ですから我々は、クォーツやダイヤモンドといったものを使った時計を作ることは決してないのです」

基本情報
ブランド: パネライ (Panerai)
モデル名: ルミノール ドゥエ 38mm パステロ (Luminor Due 38mm Pastello)
型番:PAM01309 (パステルライトブルー)、PAM01311 (パステルグリーン)、PAM01319 (パウダーピンク)

直径: 38mm
厚さ: 11.2mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: それぞれパステルライトブルー、パステルグリーン、パウダーピンクのグラデーション
インデックス: サンドイッチ文字盤
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 5気圧(〜50m)
ストラップ/ブレスレット:ブレスレット

ムーブメント情報
キャリバー: 自社製Cal.P.900
機構: 時、分、スモールセコンド、日付
直径: 28.2mm(12 1/2リーニュ)
厚さ: 4.2mm
パワーリザーブ: 3日間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 23
クロノメーター認定: なし
追加情報: 合計171部品

価格 & 発売時期
価格: 102万1900円(税込)
発売時期: 今すぐ、ブティックのみでの取り扱い
限定: 各色500本