モデル名にもなっている複雑機構に焦点をあてた、新作ランゲ 1・パーペチュアルカレンダー。ダイヤルを取り巻く月次リングは、ランゲ 1 独特のデザインに永久カレンダーを統合するために創意工夫を凝らして開発された。今回の新作には、グレーのシルバー製ダイヤルを収めたピンクゴールドモデルと、ピンクゴールド無垢製ダイヤルを組み合わせた製作数 150 本限定のホワイトゴールドモデルを用意。デイ・ナイト表示兼用ムーンフェイズ表示も特筆に値する機構である。
A.ランゲ&ゾーネが永久カレンダーを搭載する初めての腕時計としてランゲマティック・パーペチュアルを発表したのは、今からちょうど20年前のこと。それ以降に発表された永久カレンダーを搭載する7モデルのほとんどが、クロノグラフまたはトゥールビヨンなど他の複雑機構と組み合わせた時計で中にはその両方の複雑機構を搭載したものもある。
永久カレンダーを再吟味
2012年に発表されたランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダーでは、カレンダー表示を48カ月車で制御するという伝統的な設計手法ではない別の手法を採用しており、それを、今回登場する新モデルも取り入れている。時分表示をオフセンターに配置したランゲ1独自のダイヤルデザインに、全体のバランスを崩すことなくカレンダーの各表示要素を統合するために、月表示をダイヤル外周のリングとして取り付けているのだ。伝統的な48カ月車による制御に取って代わるこの12カ月リングは、毎月1回、翌月の表示へと進む。これは革新的な技術ではあるが、ランゲの設計技師たちは新たな難題を解決せねばならない。なぜなら、リングが毎月1単位回転するのに要する動力は、伝統的な機構よりもはるかに大きくなるからである。
リング状の月表示に加えて、ランゲ・アウトサイズデイト、レトログラード式曜日表示とうるう年表示が永久カレンダーを構成。各カレンダー表示は瞬転式のため、いつでも間違いなく読み取ることができ、調整プッシャーを操作して、各カレンダー表示を一斉に、あるいは一つずつ先に進めることができる。このカレンダー機構は、一旦正しく調整しておけば、2100年まで毎月末には正確に翌月に切り替わるように設計されている。
デイ・ナイト表示兼用ムーンムーンフェイズ表示
ランゲ1・パーペチュアルカレンダーの主役となる複雑機構は永久カレンダーだが、それだけではない。この時計は、デイ・ナイト表示兼用ムーンフェイズ表示も搭載している。このデイ・ナイト表示と一体型のムーンフェイズ表示は2層構造になっていて、下層のゴールド無垢製天空ディスクは24時間かけて1周し、スーパーコピー ウブロ代金引換空のブルーの色調が昼夜に合わせて変化する。その空を背景に、ケースカラーと同じホワイトゴールドまたはピンクゴールドの月が29日12時間44分3秒という新月から次の新月までの平均的な周期を限りなく忠実に再現しているため、1日分の誤差が生じるのは122.6年後になる。2016年に発表されたランゲ1・ムーンフェイズに初めて搭載されたデイ・ナイト表示兼用ムーンフェイズ表示では、月が日中は星のないライトブルーの空に、そして夜にはダークブルーの空に浮かぶ。
気品あふれる2つのカラーバリエーション
ランゲ1・パーペチュアルカレンダーの直径41.9ミリ、高さ12.1ミリのケースには、2種類のバリエーションがある。その一つはグレーのシルバー無垢製ダイヤルを収めたピンクゴールドモデル、そしてもう一つはピンクゴールド無垢製ダイヤルを組み合わせた製作数150本限定のホワイトゴールドエディション。後者の素材の組み合わせを初めて採用したモデルは、2019年に製作数限定で発表したダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン。ケースと針およびアプライドインデックスのカラーコーディネーションにも気を配った。ピンクゴールドモデルではピンクゴールド製の夜光針とアプライドインデックスを、そしてホワイトゴールドモデルではロディウム仕上げを施したゴールド製の針とアプライドインデックスが、ケースカラーと見事に呼応している。ホワイトゴールドモデルにはダークブラウンのレザーベルト、ピンクゴールドモデルにはレディッシュブラウンのレザーベルトを添えて全体の調和を図っている。
ランゲ1・パーペチュアルカレンダーのピンクゴールドモデルとホワイトゴールドモデル
新しい自社製キャリバー
自動巻きムーブメントL021.3は、A.ランゲ&ゾーネが自社開発した67個目のキャリバー。ランゲ1・デイマティックのキャリバーL021.1をベースに、新しく開発した巻上げ機構を搭載した。21Kゴールド製センターエレメントおよびプラチナ製分銅付きセンターローター、50時間におよぶパワーリザーブ、そして1時間に21,600振動する偏心錘付きテンプが高精度を約束する。
ランゲ自社製キャリバーL021.3
サファイアクリスタルのシースルーバックからは、グラスヒュッテストライプ模様が美しい素材の特性を生かした洋銀製の地板と受け、職人の手焼きによって青く染められたスチール製ビスで固定した五つのゴールドシャトン、速度調整機能を果たすスワンネック形バネが収まるテンプ受けに施された華やかな手彫りのエングレービングなど、そこかしこにランゲウォッチならではの品質の証しが見える。おなじみの二度組方式で組み立てたムーブメントは、ランゲ最高品質基準に準拠して手作業で仕上げられている。素材、構造、手作業による仕上げ装飾のどれを見ても、独創的なデザインと機構の完成度の高さを誇るこの時計は、永久に時を刻み続けるために作られたのだということを物語っている。
ランゲ1・パーペチュアルカレンダー Ref. 345.033
ムーブメント
ランゲ自社製キャリバーL021.3、自動巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、21Kゴールド製センターエレメントおよびプラチナ製分銅付き片方向巻上げ式ローター、ハンドエングレービング入りテンプ受け
ムーブメント部品数
621
石数
63
ビス留め式ゴールドシャトン
5
脱進機
アンクル脱進機
調速機
耐震機構および偏心錘付きテンプ、自社製ヒゲゼンマイ、毎時21,600振動、スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能なビートエラー補正装置
パワーリザーブ
完全巻上げ状態で50時間
機能
時、分およびスモールセコンドによる時刻表示/瞬転式アウトサイズデイト、曜日、月およびうるう年表示付き永久カレンダー/デイ・ナイト表示兼用ムーンフェイズ表示
操作系
ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ/カレンダーの全表示要素を同時に進めるワンタッチ調整プッシャーおよび月、曜日、ムーンフェイズの個別調整用埋め込み式ボタン
ケース寸法
直径:41.9ミリ、高さ:12.1 mm
ムーブメント寸法
直径:35.8ミリ、高さ:8.8 mm
ケース
18Kピンクゴールド
風防ガラスおよびシースルーバック
サファイアクリスタル(モース硬度9)
ダイヤル
シルバー無垢、グレー
針
ピンクゴールド、夜光時針および分針
ベルト
レザーベルト、 レディッシュブラウン
バックル
18Kピンクゴールド製 ピンバックル
予定価格
11,968,000円
ランゲ1・パーペチュアルカレンダー Ref. 345.056
ムーブメント
ランゲ自社製キャリバーL021.3、自動巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、21Kゴールド製センターエレメントおよびプラチナ製分銅付き片方向巻上げ式ローター、ハンドエングレービング入りテンプ受け
ムーブメント部品数
621
石数
63
ビス留め式ゴールドシャトン
5
脱進機
アンクル脱進機
調速機
耐震機構および偏心錘付きテンプ、自社製ヒゲゼンマイ、毎時21,600振動、スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能なビートエラー補正装置
パワーリザーブ
完全巻上げ状態で50時間
機能
時、分およびスモールセコンドによる時刻表示/瞬転式アウトサイズデイト、曜日、月およびうるう年表示付き永久カレンダー/デイ・ナイト表示兼用ムーンフェイズ表示
操作系
ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ/カレンダーの全表示要素を同時に進めるワンタッチ調整プッシャーおよび月、曜日、ムーンフェイズの個別調整用埋め込み式ボタン
ケース寸法
直径:41.9ミリ、高さ:12.1 mm
ムーブメント寸法
直径:35.8ミリ、高さ:8.8 mm
ケース
18Kホワイトゴールド
風防ガラスおよびシースルーバック
サファイアクリスタル(モース硬度9)
ダイヤル
ピンクゴールド無垢
針
ロディウム仕上げのゴールド
ベルト
レザーベルト、 ダークブラウン
バックル
18Kホワイトゴールド製 ピンバックル
限定数
150本、限定番号1/150~150/150の刻印入り
予定価格
13,288,000円
【A.ランゲ&ゾーネ】リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ発表
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズのホワイトゴールドケースに包まれたダークブルーのダイヤルには、まるで幾千もの小さな星が輝いているようだ。この星空は、ダイヤル表面に銅の粒子が煌めくダークブルーのゴールドストーンを重ねたもの。ホワイトゴールドの月が、ランゲ独自のアウトサイズデイトの下側で満ち欠けを正確に描く。今回登場するリトル・ランゲ1・ムーンフェイズのホワイトゴールドモデルには、魅惑的なダイヤルを取り囲むフレームのように、ベゼルに56個のブリリアントカットダイヤモンドをセッティングしたバリエーションも用意。
今回リトル・ランゲ1・ムーンフェイズに加わったホワイトゴールドモデルのモチーフは、明るい光が降り注ぐ魅惑の月夜。チラチラと光を放つダークブルーのゴールドストーンで表面を覆ったシルバー無垢製ダイヤルが視線を引き付ける。銅の粒子の輝くダイヤルは、星空を想起させ、3、6、9および12時を示すローマ数字とその間に配置された星形の時インデックスは、針と同じように、ロディウム仕上げのゴールド製。ダイヤルの深く濃い色調は、アウトサイズデイトと628個の星が散りばめられたホワイトゴールド製ムーンディスクに自然に反映される。ラメ光沢入りのダークブルーのレザーベルトにホワイトゴールド無垢製バックルを添え、優美な外観にまとめあげた。もう一つのバリエーションでは、直径36.8ミリのホワイトゴールド製ケースのベゼルに56個のブリリアントカットダイヤモンドをセッティングしている。
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズは、1本の腕時計に精巧さと気品漂う外観を両立できることを示すべく、緻密な計算に基づいて設計されたムーンフェイズ表示を搭載している。それは、時計が休みなく動き続けたとすれば、朔望月の誤差が積算されて表示との誤差が1日分に達するのに122.6年かかるという精度の高さである。現実の世界では、長期間時計を巻き上げなかったために修正が必要になるのが通常、ただし、そのような場合でも、7時と8時の間にある調整プッシャーを操作すれば簡単に素早くムーンフェイズ表示を修正できる。10時と11時の間にある埋込み式調整プッシャーを押せば、アウトサイズデイトを1日ずつ進めることができる。
ランゲ自社製キャリバーL121.2
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズはオフセンターのダイヤルデザイン、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示、3日分のパワーリザーブを蓄えるツインバレルを搭載し、技術面でもドイツのザクセン随一の伝統を誇るマニュファクチュールを代表するモデルであるランゲ1と肩を並べる。サファイアクリスタルのシースルーバックからは、グラスヒュッテストライプ加工を施した洋銀製4分の3プレート、ハンドエングレービング入りテンプ受け、青焼きによりコーンフラワーブルーと呼ばれる青色の輝きを放つスチール製ビスで留めたゴールドシャトンを見ることができる。これらは、細部の細部まで手作業で仕上げ加工を施し、二度組方式で時計を完成させるA.ランゲ&ゾーネに代々伝わる時計技法の証しであり、まるで宝石のような美しさで時計の芸術性を高めている。
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ* Ref. 182.086
ムーブメント
ランゲ自社製キャリバーL121.2、手巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、ハンドエングレービング入りテンプ受け
ムーブメント部品数
411
石数
44
ビス留め式ゴールドシャトン
8
脱進機
アンクル脱進機
調速機
耐震機構付き偏心錘付きテンプ、最高品質の自社製ヒゲゼンマイ、毎時21,600振動、スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能な速度調整装置
パワーリザーブ
完全巻上げ状態で72時間
機能
時、分およびストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示/パワーリザーブ表示/ランゲ・アウトサイズデイト/ムーンフェイズ表示
操作系
ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ/アウトサイズデイト用ワンタッチ調整プッシャー/ムーンフェイズ表示調整プッシャー
ケース寸法
直径:36.8 mm、高さ:10.0 mm
ムーブメント寸法
直径:30.6 mm、高さ:5.7 mm
風防ガラスおよび シースルーバック
反射防止加工サファイアクリスタル、モース硬度9
ケース
18Kホワイトゴールド
ダイヤル
シルバー無垢、表面に銅の粒子入りダークブルーのゴールドストーン層
針
ピンクゴールド、夜光時針および分針
ベルト
レザーベルト、ダークブルー、ラメ入り光沢仕上げ
バックル
18Kホワイトゴールド製ピンバックル
予定価格
5,357,000円
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ* Ref. 182.886
ムーブメント
ランゲ自社製キャリバーL121.2、手巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、ハンドエングレービング入りテンプ受け
ムーブメント部品数
411
石数
44
ビス留め式ゴールドシャトン
8
脱進機
アンクル脱進機
調速機
耐震機構付き偏心錘付きテンプ、最高品質の自社製ヒゲゼンマイ、毎時21,600振動、スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能な速度調整装置
パワーリザーブ
完全巻上げ状態で72時間
機能
時、分およびストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示/パワーリザーブ表示/ランゲ・アウトサイズデイト/ムーンフェイズ表示
操作系
ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ/アウトサイズデイト用ワンタッチ調整プッシャー/ムーンフェイズ表示調整プッシャー
ケース寸法
直径:36.8 mm、高さ:10.0 mm
ムーブメント寸法
直径:30.6 mm、高さ:5.7 mm
風防ガラスおよび シースルーバック
反射防止加工サファイアクリスタル、モース硬度9
ケース
18Kホワイトゴールド、ベゼルにブリリアントカットダイヤモンド56石をセッティング、 トップウェッセルトンVVS約1.2カラット
ダイヤル
シルバー無垢、表面に銅の粒子入りダークブルーのゴールドストーン層
針
ロディウム仕上げのゴールド
ベルト
レザーベルト、ダークブルー、ラメ入り光沢仕上げ
バックル
18Kホワイトゴールド製ピンバックル
予定価格
6,743,000円
独創性あふれるクロノグラフ「トリプルスプリット」が新たな装いで登場
A.ランゲ&ゾーネが 2018 年にトリプルスプリットを発表したとき、世界中の時計専門誌で世界初の時計として高い評価を受けた。このモデルは今日まで、計測タイムを最長 12 時間まで積算し比較できる唯一のスプリットセコンド・クロノグラフとして、独自の地位を確立している。そのトリプルスプリットに今年、ブルーのダイヤルをピンクゴールドケースに収めたモデルが仲間入りする。
2018年に発表されたトリプルスプリットは、中間タイムと基準タイムを最長12時間まで計測できる世界で唯一の機械式ラトラパント・クロノグラフ。今回、グレーのダイヤルをホワイトゴールドケースと組み合わせた初代エディションと同じく製作数100本限定で、ブルーのダイヤルにロディウムカラーのサブダイヤルを組み込み、ピンクゴールドケースに収めたモデルが登場する。考え抜かれた素材・カラーコンセプトにより、表示要素の多さにもかかわらず、合計10本の針がそれぞれどの機能に割り当てられているのかを明確に把握することができる。
世界中を見回しても、トリプルスプリットに比肩する時計は見当たらない。A.ランゲ&ゾーネは2004年、プレシジョン・ジャンピング・ラトラパント・ミニッツカウンターを搭載したダブルスプリットを発表した。その機構は当時すでに、先進的なラトラパント機構の開発分野において紛れもなく画期的な技術だった。それをさらに発展させた成果が、トリプルスプリットなのだ。
さまざまなシーンで活躍するトリプルスプリット
トリプルスプリットは12時間までのタイムを計ることができる。それだけでも、機械式クロノグラフとしては希有なことですが、ラトラパント機能に時積算針軸を追加したことにより、計時の可能性がさらに広がった。トリプルスプリットなら、例えばF1レースや、ツール・ド・フランス、あるいはマラソンで競い合う2人のタイムを比較することができる。さらに、同時に開始するのではない2つのイベントや長時間におよぶイベントに要した時間を計って記録できる。例えば、トライアスロンのアイアンマンレースで種目別タイムと合計タイムを求めることができる。計測タイムを積算する一方で、何度でもラップタイムを計ることができるのだ。
トリプルスプリットでラップタイムを計測
キャリバーL132.1
計時をスタートする時点では、3本のロディウム仕上げのラトラパント針はそれぞれ対応するクロノグラフ針に重なって静止している。2時の位置にあるクロノグラフ操作用ボタンを押すと、計時が始まる。3組のクロノグラフ針とラトラパント針は重なったまま動き、ラップタイムを読み取るために10時位置にあるラトラパント用ボタンを押すと、クロノグラフ針とラトラパント針は動きを異にする。この操作により3本のロディウムカラーの針は静止し、ラップタイムを指し示し、その間に、ラトラパント針の下に隠れていたゴールドプレート仕上げのスチール製クロノグラフ針またはピンクゴールド製クロノグラフ針が表われ、計時を続ける。ラトラパント用ボタンをもう一度押すと、ラトラパント針が再びクロノグラフ針に追いついて一緒に周回を始める。
ムーブメントにはさらに、前述した3組の針すべてに作用するフライバック機能も搭載され、これは、計時中に4時位置にあるボタンを押すとクロノグラフ針を帰零させる機能。ボタンから指を離すと間髪を入れずに、次の計時が始まる。
自社製キャリバーL132.1*の特色
ランゲ自社製キャリバーL132.1は、その立体感、複雑さ、見た目にも美しい構造で魅了するムーブメント。部品の一つひとつに施されたランゲ特有の装飾模様が華を添えている。相互に完璧に調整された微小な部品の数は567個におよび、この複雑さは、見せるためのものではなく、他に類を見ないタイムスプリットを機能させるために技術的に必要なのだ。
3組の針の動きを同期させたり、別々に動かすための機構を実現するのは、ランゲの開発技師たちにとって途轍もない難題であった。単純なラトラパント機構ですら、2本のクロノグラフ針を固定する軸が二重構造になっている。キャリバーL132.1には、その構造が同時に3つ組み込まれ、これらの多重軸をムーブメントに組み込んでゆく作業には、最高度の正確さと指先の繊細な感覚が求められる。
サファイアクリスタルのシースルーバックからは、ランゲ最高品質基準に則って施した仕上げ装飾をまとうクロノグラフムーブメントの歯車、クラッチ、ロッカーアーム、レバー、バネ、裏押さえが緻密に連係して動くのが見える。そして、グラスヒュッテストライプが美しい受けに伝統技法でビス留めした5個のゴールドシャトンとハンドエングレービング入りテンプ受けが、卓越した美しさを持つムーブメントを完成させている。このように、トリプルスプリットは機構だけでなく工芸美においても、クロノグラフ搭載機の中で独自のカテゴリーを築く希有な時計なのだ。